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(追記)クローン技術って何?

 クローン技術は、生物学的には非常に画期的な成果をもたらすと期待されていますが、その反面、倫理上の問題や、まだまだ多くの技術的課題を残しています。

 また、相対性理論がもたらした知見から、「人は近い将来タイムマシンに乗って時空間を自由に移動できるのでは・・」といった誤解が生じたように、一部には不老不死の技術と誤解されている節も窺えます。

 一卵性双生児とクローン動物とは、同じ再発生と言っても、厳密に言いますと受精卵と体細胞との違いがあります。しかしながら、全く同じ遺伝子を持った単一の細胞から生まれた動物と言う意味では、この両者は本質的には変わりがありません。

 前にも言いましたが、生物学的には、この受精卵と体細胞という僅かな違いに大きな意味があるのですが、ここであまり専門的なことを取り上げても仕方ありませんので割愛します。この両者の違いには、通常は生まれてくる時期の違いも挙げられます。一卵性双生児はほぼ同時期に誕生しますが、クローン動物は一方が成体になってから細胞を取り出して誕生させるのですから、当然誕生時期は大幅に遅れてしまいます。

 この他にも、両者の違いは様々ありますが、元々は同じ細胞であったものから誕生する生物ですから、この両者は遺伝子的には全く同じ生物と言っても過言ではありません。

 だからこそ不老不死の技術と誤解されたり、自分自身の生まれ代わりが誕生すると信じられたりするのかも知れません。

 ん?何がどう違うんだ!ですか??あははは。

 ちょっと分り難いかも知れませんね。 実は、それで先ほど一卵性双生児の話しを持ち出したのです。

 一卵性双生児は、一卵性という言葉通り、本来一人の子供になるべきだった一個の受精卵が、分裂発生の過程で2個またはそれ以上に切り離れてしまい、その切り離れたそれぞれの受精卵が別々に分裂発生をしてしまって、二人またはそれ以上の赤ん坊が生まれることなのです。だから彼らはクローン人間同様、生物学的には同じ遺伝子を持った同じ個体なのです。

 それにも拘らず、皆さんもご承知のように、彼らは全く別の人格を持った別の人間として、この世に存在し、別の人生を歩むことになるのです。

 そうなんです。もうお分かりでしょうが、同じ遺伝子で、生物学的に同じ個体と言っても良いクローン人間であっても、当然のことながら一卵性双生児同様、考えや記憶、人格まで共有することは出来ないのです。ということは、人格としては別人と言わざるを得ないのです。

 つまりはクローン技術は不老不死技術にあらず。。。なんです^^w・・・・・ん?ちょっとがっかりしましたか??あははは

                                           By 純一郎
by m_tanijyun | 2004-01-08 22:33
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