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(続々)先見的要請って?

 さてさて、このテーマでは今年に入って2度ほど独り言を書きましたが、尻切れトンボとなっていましたので気になっていました。また別の機会に別の角度から書くかも知れませんが、今回は今回で一応まとめておくことにします。

 要するに(私的に独断と偏見で言わせて貰いますと)、物事にはそれなりの必然性があるので、既存の観察事実から「推定原因」や「推定結果」を、ある程度は理論的に導き出すことが可能であり、そうした推定(仮説)が成り立つのは、そこに「先見的要請があるから」と言うことになります。

 ですからこれを拡大解釈すると、ニュートンがりんごが落ちるのを見て万有引力の存在を思い付いたり、フレミングが細菌の培養中に起きたアオカビの汚染(コンタミネ―ション)から、抗生物質のペニシリンを発見したり、湯川秀樹が中間子の存在を予測したのも、アインシュタインがニュートン力学では説明できなかった物理現象を、光の速度の領域でも記述出来る運動方程式として書き直したのでさえも、全て皆「先見的要請」に基づいたものと言える訳です。

 勿論、歴史に名を残す偉業を成した天才達が、人並み外れた着想や頭脳の持ち主であったことは間違いない事実でしょう。しかしだからと言って、彼らが単なる「天啓」や「ひらめき」だけでその偉業を達成できた筈はありません。彼らがその偉業という果実を収穫できたのは、それ以前に多くの人たちによって蒔かれた種があったからであり、それらの種から芽生えた苗木は、これまたそれ以上に多くの人々により育成され、彼らが偉業を達成する頃に、丁度その果実が収穫すべき時期に有ったという事も確かなのです。

・・・つづく 
                                           By 純一郎
by m_tanijyun | 2004-04-05 18:57
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